「メガネの度数を上げれば視力が良くなる」という誤解
近視の方の中には、「メガネの度数を強くすれば視力が良くなる」と考えている方がいます。
実はこれ、大きな誤解です。
実際には 必要以上に度数を上げても視力は向上せず、むしろ、
強すぎる度数は目に負担をかけてしまうという事をご存知でしょうか?
1. メガネの度数と視力の関係
メガネの度数(屈折度数)は、目のピントを適切な位置に合わせるための補正を行うものであり、単純に
「度数を強くすれば視力が良くなる」わけではないのです。
– 近視の人は、裸眼では遠くのものがぼやけて見えます、これは目の中の網膜の手前でピントが合ってしまうため です。
– メガネは、適切な度数でピントを網膜の上に正しく合わせることで、視界をクリアにします。
しかし、度数を必要以上に強くすると、網膜の後ろにピントがずれてしまい、かえって見づらくなっているのです、
(ただ、この状態(=過矯正)でも、ご自身の調節力を使って見ることは出来ます)
2. 度数を上げすぎることのデメリット
このような度数の強すぎるメガネをかけると、以下のような問題が発生する可能性が高くなります。
① 目の疲れや頭痛が起こる
強すぎる度数のメガネは、無理にピントを調整しようとするため、
目の筋肉が緊張しやすくなり、眼精疲労や頭痛、肩こりの原因になります。
② 近くを見るときに負担がかかる
強すぎるメガネをかけていると、遠くは少し見やすくなるかもしれませんが、
反面、近くのものを見るときにピントが合いにくくなります。
これにより、読書やスマホの操作がしづらくなり、長時間の作業が苦痛に感じるようになりやすいです。
③ 近視の進行を早める可能性がある
特に若い人の場合、度数を強くしすぎると 「過矯正(かきょうせい)」 という状態になり、
かえって近視の進行を促してしまうことがあります。
目が常に無理をしてしまうことで、近視が悪化する可能性があるのです。
④ 視界が不自然になり、距離感が狂う
度数が強すぎるレンズで周辺部を見ると、物の見え方が不自然に大きくなったり、歪んで見えたりすることがあります。
また、距離感が狂いやすくなり、階段の昇り降りや運転時に危険を伴うこともあります。
3. ちょうど良い度数のメガネをかけましょう
「ちょうど良い度数=最も快適に見える度数」 です、よく見えたいからといって度数を強くする必要はありません。
特にデスクワークが多い方は気を付けなければいけません。
適切なメガネは日常生活で快適に見える範囲で無理なく長時間使用できるモノです。
ご自身の調節力と適度なバランスがとれる様に度数が調整されたメガネをかける事で見え方は落ち着いてきます。
いかがでしょうか?
「度数を強くすればするほど視力が良くなる」→ 誤解だ!
という事がお分かりいただけたでしょうか?
「適切な度数のメガネをかけることで、目に負担をかけず快適に見える」→ 正しい理解!
なのです。
今の時代、適性な視力を維持するためには、適切な度数のメガネを使い、
プラス、目を休ませる習慣をつけることが大切です。
おかけになっているメガネの度数について不安がある場合は、ぜひ、
一級眼鏡作製技能士でプライム会員技能士の当店店長にご相談下さい。
前後の記事
- 前の記事
- 謹賀新年
- 次の記事
- 目の調節力が低下すると、見え方はズバリこう変わる!