遮光メガネとサングラス
濃い色のサングラスをしていて見えにくいと感じた事はありませんか?
まぶしいので濃い色のUVカット付きのサングラスをかけたけど、
なんとなく見えにくいような気がする….
こんな経験ありませんか?
理由はコレ↓
サングラスレンズの性能が、あなたの目にあわないからです
これは”度なし”でも”度付き”でも変わりません。
濃い色のサングラスをして見えにくくなるのは、
暗くなる事で光量不足に陥り、コントラストの低下を招くからです。
(※コントラスト=明るい部分と暗い部分との明度の差)
実は!
色が濃いだけのサングラスレンズは暗くする(光量を落とす)事はできても、
”まぶしさ”を完全に防ぐ事はできないのです。
まぶしさを取り除くには、コントラストの低下を防ぎながら、
原因となる散乱光を専用のフィルターで抑制したレンズが必要になります。
散乱光を抑制する遮光レンズ
レンズの機能的要素を考える上で目安となる、分光透過率をグラフ化した
分光透過率曲線(=光の波長に対する透過率)、これによって得られる、
視覚効果を基に作られたのが、
遮光レンズ(フィルターレンズ)と呼ばれるモノです。
遮光メガネとサングラスのちがい
遮光レンズとサングラスレンズは共に、
”まぶしさ”を取り除くという目的に使われますが、
見た目の色がポイントのサングラスに比べ、遮光レンズを用いた遮光メガネは、
短波長の光をカットする働きに重点を置いています。
ゆえに
まぶしさを抑え、コントラストを高めるので
濃い色でも光量不足になりにくいのはもちろん、
暗く感じず、明るく感じて見えやすいのです。
特に、
網膜色素変性症*や、
白内障の術前、術後など、
眼疾患への適用に、より効果に期待がもてるとされています。
普通のサングラスで見えにくさを感じていらっしゃる方は是非、遮光レンズをお試し下さい。
ご自身に合うカラーが見つかれば、きっとご満足いただけると思います。
※網膜色素変性症で、視覚障害者手帳を所持し、
医師の判断により遮光眼鏡が必要と認められた場合、
公的補助が受けられるはずです。
(補助金額などの詳細は各自治体によって異なりますので確認が必要です)
遮光レンズの選び方
カラーの選び方として疾患別の適応色というものは存在しません、
あくまでも、ご本人のまぶしさの感じ方を基準とし、
トライアルキット(テストレンズ)を用いた自覚検査で選ぶようになります。
このため、レンズカラーの選定には時間が必要となります。
まぶしさの定義
私たちが可視光線(=380㎚~780㎚)の中で、まぶしく感じる光の波長は、
380㎚~500㎚の短波長領域を指します、ブルーライトとして有名ですよね。
その特徴として、波長が短くなるほど極めて強い散乱が起こることが知られています。
※光の散乱について身近で判り易い例としては、
空が青く見える現象(=太陽光からの青色光が強く散乱しているため)などがあげられます。
ちなみに・・
目の中に入ってきた光は眼内で散乱しているのです。
チラつきやギラつきといった方が判り易いかも知れません、
(加齢と共に気づきやすくなります)
散乱光が網膜の中心窩まで届いてしまう事で起こる、こうした現象は、
フレアやグレア(=ぎらつきを感じる状態)と呼ばれ、
これが起こると網膜上で結像しにくくなり、
視力を低下させることが知られています。