遠くは見えても近くが見えない子供さんが増えています
近見視力不良という言葉をご存知ですか?
教室で黒板の文字が見えても、
教科書やノートの文字が見えない、
子供が増えているのをご存知ですか?
このような近くを見る視力が悪い状態を、
近見視力不良といいます。
近見視力不良の子供は”近く”に関しては、
ピントが合わずにぼーっとして見えています。
問題なのは、
本人がそういう見え方が当たり前なのだと思い込んでいる事です。
近見視力不良のお子さんの場合、
教科書の文字がはっきり見えませんから
漢字を写したりする場合に合格点がもらえません。
字の突き抜けや、
「跳ね」や「点」の違いなどが、はっきり見えないのです。
漢字が覚えられず間違ったのではなく、
自分自身が見えてた通りに書いたら☓になってしまった。
と言う事です。
残念な事に多くの場合、このような事実に、
周囲の大人も子供自身も気づかないままなのです。
算数でも同様に、位取りを間違って計算したり、
地図や辞書のように小さい文字で書かれた本などは、
更に読みにくく感じ、読み間違えをしたりと時間がかかるのです。
このように、
近見視力不良の子供は”近くがよく見えない”為に、
学習能率や作業能率がよくありません。
本当は学習能力や運動能力があるのにも関わらず、
近見視力不良のためにその能力を発揮できないのです。
子供自身も近くがはっきり見えた経験がありませんから、
視力不良のせいだとは思いません、
” 勉強もダメ運動もダメ” と、悩みながら子供時代を送り、
自分に自信が持てないまま、
大人になってしまう可能性もでてきます。
親御さんは、
『子供は遠くが見えていれば近くは見えるもの』と思いますよね?
遠くが見えるのに近くが見えていないとは思いません。
それが普通です。ですが、「もしかしたら」と思ったら、
お子さんの希望のある未来の為にも、
眼科を受診し近見視力の検査をしてもらってみて下さい。
結果が良ければOKだし、
必要ならば視力を促すメガネを作ってあげて下さい。
大事なのは、
本人が見えるようにしてあげる事です。
それによって得られるものは、かけがえのないものなのです。
参考文献 桃山学院大学教授、高橋ひとみ先生:著「こどもの近見視力不良」
子どもの近見視力不良 [ 高橋ひとみ(健康教育学) ]
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(※お断り:この記事はKIRARI 2013年6月号に掲載した文章に加筆&修正を加えております)
※2016/7月 追記 遠くは見えても近くが見えない子供のためのメガネの記事へ
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